フィリピン旅行する前にチェックしておきたい、フィリピン英語の特徴

アジアの人気スポットの一つ、フィリピン。英語圏で言葉が通じやすいことから日本からも訪れやすい旅行先です。フィリピンの英語はアメリカ英語に近いといわれていますが、フィリピン特有の言葉の使い方もみられます。フィリピンの人たちと英語でコミュニケーションをとるときに知っておくと役に立つ情報をお伝えします。

アジアの英語圏、フィリピン

世界史の中のフィリピン

世界史にフィリピンが登場するのは16世紀。1521.年にスペイン領として植民地化されました。19世紀末に独立運動が活発化、1898年には米西戦争が勃発し、フィリピンはスペイン領からアメリカ領に移ります。

1899年に独立宣言がなされ、フィリピンはアメリカ統治下での独立国家となりましたが、アメリカとの間での紛争は続きました。1916年にアメリカはフィリピンの自治を認め、その後1934年には「10年後の独立を認める」という合意がなされます。

ところが1941年に第二次世界大戦が勃発、1942年前半には日本軍がフィリピン全島を占領します。アメリカとの合意に基づいて日本占領下のフィリピンは再度独立を宣言しますが、日米間の戦争状態に挟まれて安定しませんでした。1945年終戦によりアメリカの植民地に戻り、翌1946年に以前から約束されていた独立国家として承認されたのです。

フィリピンの歴史と言語

フィリピンの歴史を見るとスペイン、日本、アメリカという三つの国の間で国としての立場を成立させることに苦労してきたことがわかります。もともとこの海域にある7,600以上の島からなる群島国家であるため、フィリピンの民族や文化は極めて多様です。現在、フィリピンでは公用語としてフィリピノ語と英語を採用し、補助言語としてスペイン語とアラビア語が使用されています。

ちなみにフィリピノ語というのはタガログ語をもとにして標準化された現地語です。フィリピン国内では120から180以上の現地語が用いられており、これは主にマレー・ポリネシア語系の言葉。フィリピン人の母国語としては約50%がタガログ語、セブアノ語の2言語を用いますが、高等教育を受けた国民のほとんどは英語を日常的に話します。学校の授業は「国語」の授業以外英語で行われるので、義務教育を受けた人たちは全て英語を話します。

フィリピン英語の特徴

英語とタガログ語

テレビや新聞、公文書などは基本的にすべて英語です。歴史的にアメリカとの結びつきが強いので、英語はアメリカ英語がベース。もともと多言語国家なので、英語が現地語と混ざってフィリピン特有の表現が使われているケースもあります。英語の中にタガログ語の単語が混ざったりすることもあり、「タガリッシュ」と呼ばれています。日本語の中に外来語が入るのと逆の関係になりますね。

アメリカ英語との違い

フィリピンの学校では英語で授業がされますが、教師はもちろんフィリピン人です。このため、生徒が学ぶ英語の発音はアメリカ人の英語よりはフィリピン現地語の音に引きずられる傾向があります。ニュースキャスターは完全なアメリカ英語を話しますが、一般の人たちにはフィリピン・イングリッシュと呼ばれる発音の癖があります。

子音のF音、V音がそれぞれ、P音、B音に置き換わることが多くありますが、これは日本語同様に唇を軽くかむ音が発音しにくいのでしょう。英語のファ、ヴァの音がパ、バになります。したがってFilipinoは「フィリピ―ノ」よりも「ピリピーノ」に近い発音です。同様に舌を噛むthの発音は清音、濁音がそれぞれt音、d音に流れる傾向があります。

日付の読み方はフィリピン独特です。1月1日はアメリカ英語では“January First”ですが、これをフィリピンでは“January One”と呼びます。日付を書く時には「日、月、年」の順になります。2020年1月1日は ” 1 January, 2020 ”と書かれます。

フィリピン人の名前はその歴史を反映して西欧と東洋を組み合わせた独特の構造です。ファーストネームが先でそのあとに両親の姓が二つ続くのが基本。通常は母親の旧姓が先、父親の姓が後になるので、母親の旧姓を「ミドルネーム」と呼びます。ファーストネームは現地風の名前とアメリカ風の二つを持つ場合があり、この場合二つ目のファーストネームをセカンドネームと呼びます。さらに法律上の目的で追加される名前もあって、名前は時に非常に複雑です。

フィリピン英語特有の表現

フィリピン英語にあってアメリカ英語にはない英語表現があります。いくつか代表的なものを紹介します。

Ref 冷蔵庫のこと。Refrigeratorの頭だけをとった単語。アメリカ英語では” fridge “。

Sala リビングルームのこと、スペイン語からの転用。

Videoke カラオケ。

Adidas 露台の食べ物屋さん、屋台。

McDo マクドナルド。

Comfort room  公衆トイレ。「CR」と省略されることもあります。

Computer shop インターネットカフェ

Carnapping 自動車泥棒

American 白人の西洋人、アメリカ人に限らない。

English 英語を話す白人、イギリス人に限らない。

Sari-sari store 雑貨屋、何でも屋

Slang 外国語の強いアクセントがあること、” Your English is very slang. “ などと使う。

Vetsin 化学調味料。フィリピンの代表的な商品名から。

まとめ

フィリピン人の英語は訛りがあるといわれることがありますが、彼らの英語は基本的に非常に流暢で自然です。国内に多数の言語が併存しているので、母語を大切にする一方で、公の場では英語でやり取りをすることが教育を受けた人たちの常識なのです。音が入れ替わっていたり表現が独特になっているところはありますが、フィリピンは英語圏の国、と思ったほうがよいでしょう。国民の92%が英語を話すアジアの国、フィリピン。自国の苦難の歴史を、言葉を通して自分たちの強みに変えてしまった不思議な国です。

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