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■留学先としてノルウェーはいいの?よくないの?
北欧デザインや北欧家具など、北欧の文化に憧れる日本人は多いです。
学生に関しても、そういった憧れから、留学先に北欧の国を選ぶ人もいるようです。
北欧の一国であるノルウェーは、豊かな自然や充実した福祉制度、北欧家具など魅力的な面がたくさんありますが、留学先としてはどうなのでしょうか。
今回はノルウェー留学のメリットとデメリットをご紹介します。
良い面と悪い面の両方を知ってから留学先を決定すると後悔せずに済みますよ。
それでは早速、メリットから見ていきましょう!
■ノルウェーに留学するメリット6選
1.学費が無料
なんといっても一番のメリットはこれだと思います。ノルウェーでは社会福祉が充実していて、小学校~大学まで、公立校では全ての教育が無料で受けられます。
しかもこのルールは留学生にも適用されるのです。
2017年以降、ヨーロッパの国の中で留学生も授業料が無料になるのはノルウェーだけです。
日本の大学や高校の交換留学制度を利用する場合はあまり関係ないかもしれませんが、自費で留学する際には大きなメリットになるでしょう。
2.治安が良い
ノルウェーはアメリカや他のヨーロッパ諸国と比べても治安が良いことで知られています。
日本と同程度と考えてください。
日本と同程度ということは、急に銃で殺されたり、スリ被害に遭う確率は少ないけれども、全くないわけではないので注意は必要、ということです。
特に近年ニュースにもなっているように、テロや移民による犯罪が増えています。
必要以上にビクビクすることはありませんが、人通りの少ない場所や夜間のひとり歩きなどはしないほうが懸命です。
3.豊かな自然の中でのんびり暮らせる
ノルウェーはとても自然が豊かな国で、首都のオスロでさえ、オスロ中央駅から少し歩くと自然で溢れかえっています。
休日は山を散歩したり、ピクニックに行ったりというのが現地の人の楽しみ方です。
都会の喧騒から離れ、自然の中でのんびり過ごしたい人にとって、ノルウェーでの生活は理想だと思います。
また、トロムソやアルタなど北方の町に行けば、わざわざ特別な場所に出かけなくても家の近くや近所の公園などでオーロラが見られます。
4.北欧文化を体験できる
近年日本でも北欧デザインや北欧家具が人気ですが、学校や駅などの公共施設、またはお店などで直にそのデザインを見ることができます。
博物館も多く、ムンクの叫びが展示されている国立博物館は学生の入館が無料。
その他の博物館でも学生は割引が適用されることがほとんどです。
またノルウェー人は小屋作りが大好きで、一家につき一小屋持っているのは当たり前です。
日本人からすると自分で家をつくるというのはイメージしにくいのですが、彼らは夏休みなどの長期休みになると、山にこもって黙々と自分の小屋を作ります。
また出来上がった小屋を北欧家具で飾るのも大好き。
留学中にノルウェー人と仲良くなったら、ぜひ自慢の小屋に連れて行ってもらいましょう。
5.近隣の北欧やヨーロッパ諸国に旅行しやすい
留学中は、授業がお休みのときは近隣諸国へ旅行に行くのがおすすめです。
ノルウェーからもスウェーデンやフィンランドには電車で安く行く事ができます。
どちらの国もノルウェーとは違う文化があり、特にフィンランドはムーミンゆかりの地で、日本人にとても人気があります。
一旦フィンランドに行ってから船に乗ってエストニアに行くのもおすすめです。
そのほかのヨーロッパ諸国、たとえばイギリスやドイツなどにも、日本から行くよりもずっと安い金額で行く事が出来ますよ。
ヨーロッパ内を運行するLCCがありますので、そちらを使えば最安で片道2,000円ほどでイギリスに行く事ができます。
しかしこうしたLCCは郊外の空港発着のことが多いので、トータルでいうと大きな航空会社を使った方が安い場合もあります。
事前にしっかり調べてから予約するようにしましょう。
6.日本人が少ない
人によってメリットと捉えるかデメリットと捉えるかは分かれると思いますが、アメリカやカナダなどと比べると格段に日本人の数が少ないです。
日本人留学生ももちろんいますが、欧米諸国に数百人単位でいるのに比べると、ノルウェーには1つの学校に多くても10人程度の日本人しかいません。
留学先であまり日本人に会いたくない、と考えている人には好都合でしょう。
留学生で多いのはドイツ人やポーランド人などです。
ドイツ人にとってノルウェー語はドイツ語と近く、親近感があって来やすいそうです。またノルウェーはポーランドからの移民が多く、あらかじめ語学などを学ぶために留学しているポーランド人が多いです。
■ノルウェーに留学するデメリット5選
1.食べ物が美味しくない
ノルウェーといえば、ノルウェーサーモンが有名です。
確かにサーモン自体は脂が乗ってすごく美味しいのですが、ノルウェー人は残念ながら料理が下手、というより、そんなに味にこだわりがありません。
お隣のデンマーク人が「食べるために生きる」と言われているのに対して、ノルウェー人は「生きるために食べる」と言われているほど。
実際、ノルウェー人の家庭料理は、調理にほとんどまな板を使わず、買ってきたジャガイモなどをそのまま焼くか煮るか。
味付けも塩コショウのみか、市販のソースをそのままかけるだけというシンプルなもの。
大学の学食のメニューも同じような感じです。
したがって留学生が美味しいものを食べたければ、自分で料理をするのが一番です。
日本食を作りたければ、Majorstuen(マヨルストゥーエン)という駅に「Japantorget(ヤーパントルゲ)」という日本食材を販売しているお店がありますので、調味料等はそこで調達しましょう。
2.物価が高い
ノルウェーは非常に物価が高いことでも知られています。
外食などしようものなら、マクドナルドでセットを頼むだけでも1,500円程、日本の倍以上のお金がかかります。
なぜこんなに高いのかというと、社会保障を充実させるために、生活になくても良いものには「贅沢品」として、25%という高い消費税をかけているから。
その分、先ほど説明した授業料、さらには医療費も、出産や入院にかかる費用も含めて全て無料です。
もちろん留学生が怪我や病気をして病院に行った際の医療費も無料。
その他、失業保険や育休制度、年金制度なども充実しています。
これが治安のよさにもつながっているわけですね。
食材は生活必需品として消費税が低めに設定されていますので大体日本と同じくらいの金額で買えますが、アルコールについては度数に応じて酒税が上乗せされます。
市販のビール1缶でも約400円、レストランで500mlを1杯飲もうとすると、1,500円ぐらいかかります・・・
3.冬は寒く、日が短い
ノルウェーの冬は本当に寒く、最も南に位置するオスロでも、1月2月の平均気温はマイナス4度となっています。
当然、道路は雪で覆われ、滑りやすくなっていますので、スノーブーツは必須です。
日が短いのも冬のノルウェーの特徴で、オスロでも冬には11時にやっと日がのぼり15時には沈むという日々が続きます。
授業が終わって帰る時間に外が寒くて真っ暗というのは正直憂鬱になりますし、実際にノルウェーをはじめとする北欧諸国には冬に鬱病になる人が多いそうです。
またこの時期には、太陽に当たらなければ作られないビタミンDなどの栄養素が不足してしまいますので、フィッシュオイルが入ったサプリを飲むのがおすすめです。
4.日本から遠い
日本からノルウェーには直行便がないため、フィンランドや他のヨーロッパの国などで乗り換えが必要です。
乗り継ぎの時間にもよりますが、合計で12~16時間の所要時間を見ておいた方がよいでしょう。
また航空券も安くないため、留学中にホームシックになってしまったときや、長期休暇の際にも、簡単に帰ることはできません。
また時差も8時間(サマータイム適用時は7時間)あるため、日本に電話をするときにも、現地時間に注意が必要です。
5.娯楽が少ない
自然が多い分、買い物をしたり、お金を使って遊んだりできる場所が極端に少ないです。
お店に関しては、食材を買えるスーパーマーケットは困らない程度にあるのですが、服や雑貨などを購入できる場所は限られています。
例えばオスロであれば、駅前にH&Mなどの服屋や観光客向けのお土産屋さんなどがあるのですが、それらもクリスマスやイースターの時期には早めに閉まってしまいます。
映画やカラオケなどもほとんどないため、普段都会で遊ぶのに慣れている人にはつまらないと感じるかもしれません。
勉強に集中できるといえばそうですが、人によってはストレスに感じるかもしれません。
6.英語の勉強には向かない
ノルウェーのTVはいくつかのチャンネルが英語で放送されているため、大抵の人が英語を理解しますが、公用語はあくまでノルウェー語です。
英語が既に話せるのであれば、ノルウェー語の習得はそれほど難しくありませんが、日常会話はノルウェー語で話されますので、英語のスキルアップを目指している人にとってノルウェーは不向きです。
大学の授業も英語で開講されているものとノルウェー語で開講されているものがあります。
留学生可、となっていてもノルウェー語でしか受講できないものもありますので、自分が履修したい授業がどちらの言語で開講されているのか、留学前にきちんと確認しましょう。
■自然豊かなノルウェーで、のんびりとした留学生活を
ノルウェー留学のメリットとデメリットをそれぞれ6個ずつご紹介いたしました。
ノルウェーは自然の中でのんびりとした時間を過ごしたい人にとってはとても良い国です。
また他の日本人との付き合いや都会の喧騒から離れて、勉強に集中したい人にとっても良い環境と言えます。
しかし、都会が好きな人や寒さが苦手な人には少し住むのが厳しい場所かもしれません。
メリットとデメリットを照らし合わせ、よく考えてから留学先を選ぶようにしてくださいね。
充実した留学生活を送られることを祈っています。