シンガポールへの便はチャーター便も含めると成田、羽田、関空、中部、福岡の主要空港以外にも多くの地方空港から就航しています。その中からLCCの定期便のみを取り上げ、どの空港の便なのか、出発や到着の時間帯、所要時間などを比較してみましょう。
目次
1.日本からシンガポールに就航するLCCの直行便
直行便は乗り継ぎ便に比べると値段が高めですが、限られた時間でシンガポールに行きたい場合や、乗り換えが面倒といった方にはおすすめです。
1-1.シンガポールに就航するLCC ヴァージン・オーストラリア航空
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ヴァージン・オーストラリア航空はオーストラリアで2番目の規模を誇るエアラインで、ブリスベンが本拠地です。成田、羽田、中部、福岡からシンガポールまで直行便がありますが、これはオーストラリアの6都市行きの便の経由地がシンガポールのためです。
ヴァージン・オーストラリア航空は成田からシンガポールまで直行便が就航している数少ないLCCの1つです。午前中と夜の2本就航しており、到着は夕方と深夜になります。午前便は観光客、夜便はビジネスマン向きの時間帯で、所要時間は共に7時間10分になります。帰りはシンガポールを深夜に出発し、成田へは朝到着になる便と、朝出発し、夕方到着する便があります。朝到着便は疲労感は残るものの、そのまま会社に行くこともできますので、宿泊日数の少ない弾丸旅行には向いています。
羽田からは午前中と夕方、夜と3本の直行便があり、それぞれ到着は午後、夜、深夜になります。他の空港からは中部国際空港、福岡空港からもシンガポールへ直行便が就航しています。いずれも午前中に出発し、夕方に到着するという乗りやすい時間帯で、帰りはシンガポールを深夜に出発し、朝到着する便になります。
4空港から直行便が複数就航しているヴァージン・オーストラリア航空は旅のスケジュール次第ではかなり利用率が高くなりそうなエアラインと言えます。
1-2.シンガポールに就航するLCC スクートタイガーエアー
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スクートタイガーエアーはシンガポール航空100%出資のLCCで、シンガポールを拠点としています。LCCなので機内サービス類がオプションになりますが、その数が他のエアラインに比べて多いので、カスタマイズすることができて便利という声もあります。座席に関してはエコノミークラスでも3種類のシートがあり、大きさが違うことによって値段も違います。
スクートタイガーエアーは日本国内では成田、関空、新千歳の3箇所から就航しています。その中でも関西空港からは直行便が2本あります。夕方に出発し、夜に到着する便と、夜に出発し、深夜に到着する便になりますが、所要時間は共に7時間25分になります。帰りはシンガポールを午前中に出発し、関空へは夕方到着になるので、体に疲労が残りにくい時間帯です。
関西からはシンガポールへのLCCの直行便はスクートタイガーエアーのみになります。
1-3.シンガポールに就航するLCC ジェットスターアジア
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ジェットスターはカンタスグループのエアラインで、メルボルンを拠点としています。カンタス航空がヴァージン・オーストラリアに対抗するために作ったLCCで、100%出資の子会社です。ジェットスターにはシンガポールに拠点を置く「ジェットスターアジア」とベトナムが拠点の「ジェットスターパシフィック」、日本が拠点の「ジェットスタージャパン」があり、「ジェットスターアジア」が那覇からシンガポールへの直行便を運行しています。これは朝出発する便で、現地には昼過ぎに到着し、所要時間は5時間10分になります。
帰りはシンガポールを深夜に出て、那覇には朝着きますので、疲労感はあるものの空港から仕事に行くことも可能です。
2.日本からシンガポールに就航するLCCの経由便
では次にどこかを経由してシンガポールに行くLCCの乗り継ぎ便をご紹介します。
2-1.シンガポールに就航するLCC スクートタイガーエアー
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スクートタイガーエアーにはシンガポールへ乗り継ぎ便も就航しています。成田からはバンコク経由、台北経由があります。バンコク経由のものは午前中出発、夜着になり、所要時間は11時間20分になります。台北経由のものは昼に出発し、夜に着き、所要時間が9時間25分前後になります。帰りの便はシンガポールを深夜に出発し、成田には午前中に着くものと、午前中に出発し、夜に到着するもの、夜に出発し、朝に着くものの3タイプあります。
関空からは台湾の高雄を経由するものとバンコク経由のものがあって。両方とも夕方に出発し、深夜に到着します。帰りはシンガポールを早朝に出発し、関空には夕方に着くことになります。
新千歳空港からは台北経由シンガポール行きが就航しています。これは夜に出発し、早朝に到着する便です。帰国便はシンガポールを早朝に出発し、新千歳に夕方着きます。
2-2.シンガポールに就航するLCC ジェットスターアジア
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ジェットスターアジアは関空からフィリピンのクラークや台湾の高雄、台北、マニラ、バンコクを経由し、シンガポールに行く便があります。これらは昼に出発し夜に着く便と、夕方に出発し深夜に着く便があります。
帰りはシンガポールを深夜に出て、関空へは昼頃到着になります。どれも乗り継ぎ時間が比較的短く、所要時間は長くても9時間前後になります。
2-3.シンガポールに就航するLCC エアアジア
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エアアジアはマレーシアのクアラルンプールを拠点にするエアラインで、日本やタイなどアジアにグループ会社を展開し、7拠点あります。エアアジアのシンガポール就航便は成田からはバンコク経由のものがあり、これは夜出発の翌日の午後到着になります。羽田からはクアラルンプール経由で深夜出発の翌朝到着になります。新千歳からはバンコク経由のものが、関空からはバンコク、クアラルンプール経由のものが、福岡からはバンコク経由のものがあります。
直行便はないものの、日本の5空港から就航便があるのは、LCCエアラインの中ではエアアジアは最多になります。ただし、所要時間は9時間から長いものでは24時間近くかかるものもあります。
3.シンガポールにLCCで行く場合に気をつけること
LCCを選ぶことの最大のメリットは料金が安いことです。通常エアラインと比べ、半額やそれ以下の場合もあり、これは魅力的なことです。ただしそれには理由があって、会社によって条件は異なりますが、多くの場合座席指定料や機内食、ドリンク、毛布、スリッパ、荷物を預けるのも有料>になります。座席の間隔も狭く、長時間のフライトになると体がきつくなります。そのため、オプションをいくつか利用することになる場合もあり、それを考慮して通常エアラインとの値段比較をしてください。
もう1つのメリットに往復でチケットを購入する必要がないことが挙げられます。通常のエアラインでももちろん片道チケットを購入できますが、ものすごく割高になります。その点、LCCは片道ずつ購入できるので、行きはジェットスター帰りはスクートと別会社にすることもできます。
次にLCCのデメリットを考えてみましょう。まず成田空港の場合、LCCは第三ターミナルからの出発となり、長い距離を荷物を持って移動する必要があり、時間的ロスがあります。また飛行機に乗り込むのにブリッジを使いませんので、バス移動の後、自ら階段を上って機体に乗り込む必要があります。これは手荷物が重い場合、足が不自由な場合、小さな子どもがいる場合はかなりの負担になります。
LCCの場合、一度予約すると基本的にキャンセルができません。これはスケジュール変更が出そうな場合、小さなお子さんとの旅行の場合、LCCは向いていないということになります。遅延することも多く、機体の数が少ないため欠航になることも多いです。
これらを加味した上でLCCを選ぶ場合は到着時間が深夜にならないものを選びたいです。シンガポールは治安が比較的良い国ではありますが、深夜は注意する必要があります。空港からタクシーを使うことになったり、荷物を預けたりとお金がかかることも想像されます。特に家族旅行、団体での旅行の場合はホテルにチェックインできる時間に到着したいものです。また、乗り継ぎ便の場合は乗り換えによるロスタイムが短いものを選びたいです。
4.まとめ
今回は日本からシンガポールへ就航しているLCCをご紹介しました。直行便、乗り継ぎ便といくつかありましたが、その中で賢く行くためにはどの便を選べばいいのかについてもご紹介しました。LCCは価格が安いことがメリットですが、デメリットもたくさんあります。それらを通常エアラインの値段と比較してLCCを選びましょう。一般的にLCCに向いているのは学生やひとり旅の場合で、時間的に余裕がある場合です。ビジネスの場合や小さなお子さんを伴う旅行や団体旅行には向きません。安いからと安易にLCCを選ぶことなく、デメリットを理解した上で選べば、旅は楽しいものになるはずです。