海外旅行には欠かせないクレジットカード。カードを利用するにはまず裏面にサインが必要です。
今回は、このサインは海外でどれぐらい重要なのか、よいサインや悪いサインはあるのか、など、海外でのクレジットカードのサインにまつわるお話をいろいろとご紹介したいと思います。
目次
海外でクレジットカードを使うとき、サインはいるのか
近頃日本国内では、「サイン不要」でクレジットカード払いができるサービスが広がっています。
暗証番号の入力さえ必要ないことも多くなっています。
しかしこれは、クレジットカードの不正利用という犯罪の絶対件数が少ない平和な国だからこそできるのでしょう。海外ではこのようなことはめったにないこと、まずは知っておいてください。
暗証番号入力よりも、サインが多い
直近25年ぐらい、毎年複数回海外旅行をしている私の印象では、近頃海外ではクレジットカードでの支払い時に「サインをする」ことが復活しているように思います。「復活」という言葉を使ったのは、一時期は「サインは必要なく、代わりに暗証番号の入力が必要」というやり方が広まった時期もあったためです。
サインのほうが、暗証番号よりも安全だから?
ICチップや暗証番号は、サインよりも安全性が高いとして一時期一気に広まりましたが、私の実経験と照らし合わせると、さほど安全ではないという認識です。というのは、ICチップ入りのカードとそうでないカードが混在していた時代に、同行者がスリに遭ってクレジットカードが2枚盗られたとき、高額の不正利用の被害に遭ったのはICチップが入った方のカードだったからです。
テクノロジーを駆使したICチップも暗証番号も、実は安全ではない、それでアナログのサインに回帰しつつあるのかもしれませんね。
サインは、専用のボードに専用のペンで書く
海外でのクレジットカード利用時のサインですが、レストランでテーブルに着席したままお会計をするとき以外、紙のレシートに書くことはほとんどなくなっています。
レジカウンターでクレジットカード払いをするときは、小さなタッチパネルの画面に向かって、専用のペンで書く方式が多いです。しかしペンも画面も感度が悪くて、クレジットカード裏面のサインのようにキレイに書くことはできないです・・・。ですが、それでいいようです。
念のため暗証番号も覚えておいて
「暗証番号を忘れたせいでカードを使えなかった」との経験をお持ちの方もいると思います。サインを求められることが増えれば暗証番号の出番は少なくなりますが、だからといって完全にどちらかになることは、この先もないと思います。
どちらを求められても対応できるように、海外旅行出発前にはカードの暗証番号も確認しておきましょう。カード会社に確認すると、1週間ほどかかって郵送で通知ということもありますので、早めに確認しておくことをお勧めします。
暗証番号ではなくセキュリティコードが必要なケースも
アメリカ・ラスベガスで、バスの1日乗車パスを購入するときでしたが、機械に向かってクレジットカード払いをしようとしたとき、聞かれた数字は「3桁」でした。PIN(暗証番号)ではなく、セキュリティコードの入力を求められていたのです。セキュリティコードとは、カード裏面のサインの欄の横に小さく印字されている数字のことです。
でもこの方式だとカードをたまたま拾った人など、誰でも使えることになってしまう気がするのですが・・・とにかく、今後このタイプの決済が増えるかもしれませんので、心の片隅に覚えておくと役に立つかもしれません。
クレジットカード利用時にするサインの意味とは
日本国内で、クレジットカード利用するときに、サインを求められることがほとんどなくなっているからでしょうか?クレジットカード利用時のサインにどんな意味があるのか、知らないもしくは忘れてしまっている方が増えているようです。
「海外に来たのだからサインも英語で書かなくちゃ」はNG
「カード名義人のサインは日本語、ここは海外なんだから、外国人が読めるようにローマ字で書いてあげよう。」しかしこれでは、カード利用を断られてしまいます。
カード裏面のサインを漢字でしているなら、カード利用時のサインも漢字でなければなりません。どこの国で利用するときにも、その国の人があなたのサインを読めるかどうかは、ここでは考えなくてよいのです。
サインは、カード名義人本人であるかどうかの確認のためにする
クレジットカード利用時にサインする目的は、カードの名義人本人かどうかお店が確認できるようにするためです。カードの裏面のカード名義人のサイン、必ずこれと同じサインをしてください。異なるサインをしてしまうと、本人であることが確認できないばかりか、最悪の場合は不正利用を疑われて犯罪者扱いされてしまう恐れまであります。
クレジットカードのサインは、漢字のほうがよいのか?
なお、「クレジットカードのサインは漢字の方が安全。理由は外国人犯罪者が真似しづらいから。」という情報がいまだに残っているようですが、実際のところ、この情報に確実性はありません。
先にも書いたように、実際に書いたサインがクレジットカード裏面のサインとはかけ離れているようなものでも、字体さえ同じなら受け付けられますし、アジア人風貌で漢字が書ける犯罪者もごまんといるからです。
なお、ローマ字や筆記体を書き慣れていない日本人が書くローマ字も筆記体も、一般的な外国人のそれと比べるとかなり独特であること、ご存知でしょうか。日本人が書いたローマ字を真似することも、外国人にとっては難しいはずです。
実際、漢字のサインだったからこそ防げたカード犯罪など、ほとんどないはすです。
漢字のサインにする必要は全くない
結局のところ、漢字かローマ字かにかかわらず、なんと書いてあるか全く読めない記号のようなものでも、サインとしては通用します。フルネームで書く必要もありません。「えっ、これがサインなの?これでいいの?」というサインをする外国人もたくさんいます。
このため日本人も、無理してローマ字にする必要もありませんが、漢字に固執する必要もないのです。
なお、ローマ字のサインにするなら筆記体でなければならない、と思い込んでいる人もいますが、そのような決まりはどこにもありません。「誰にも同じものは書けない」サインならそれでOKなのです。その意味では個性が出る点で、ブロック体だと逆によいかもしれないです。
クレジットカードのサインとパスポートのサインの関係
さて、クレジットカードのサインは漢字でなくてもよいのですが、パスポートのサインとは同じにしておいたほうがよいこと、海外に行くならぜひ覚えておいてください。
海外では、クレジットカードを利用する際に、「パスポートを見せてください」と言われることが多くなってきました。もちろん不正利用でないかどうかを確認する目的です。
レジでそう聞かれたときのスタッフはたいてい、あなたの顔とパスポートの顔を見比べ、そしてクレジットカードの名義人のローマ字表記のスペルと、パスポートのローマ字表記のスペルを確認します。このとき、パスポートのサインとクレジットカードのサインが異なっていると、困惑されることがあります。
クレジットカードとパスポートのサインは同じほうがよい
少しでもスムーズにお会計を済ませるためには、上記の状況も予測して、クレジットカードのサインはパスポートのサインと同じにしておくとよいのです。
なお、パスポートのサインも、漢字にする必要は全くありませんので、念のため。
これらの情報が、海外でスムーズにクレジットカードを利用するためのお役に立てば幸いです。
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