チップの習慣がない日本人にとって、何十回旅行してもどうも慣れないのが、チップの考え方や出し方です。
どんなときに?どのぐらい?どのタイミングで?情報サイトをいろいろ読んでみても、書かれていることはバラバラで、余計に混乱してしまいます。
結局のところ、チップの出し方の「正解」は一つ以上あり、状況次第なのです。アメリカ人も全員が全く同じ出し方をしているわけではありません。ですから今回お伝えすることも、あくまで「こうしている人もいる」一例としてお読みいただければと思います。
目次
日本人には難しい、アメリカ旅行中のチップ
私の70回以上の旅行経験のうち約半数はアメリカ旅行です。留学して1年ほど住んだこともあります。それならチップも出し慣れたでしょう、と思われるかもしれませんが、いいえ、いまだに難しいです。毎回「今の出し方でよかったのかしら?」「金額、少なすぎたかしら?」「あら?もしかして二重にあげてしまったかも」「今のタイミングって、チップあげるべきだったんじゃないかしら?」などなど、チップに関する悩みは尽きません。
アメリカでチップをあげるべきときとは、「誰かが、自分のためにわざわざ動いてくれたとき」
感謝の気持ちを表すものがチップで、出すべきときかの判断基準は「誰かが、自分のためにわざわざ動いてくれたとき」です。そして、出そうか出さないか迷うようなケースでは、私は「出す」ことにしています。
アメリカ旅行中に、チップを出すことが決まっている状況とは
さてもうひとつ、「誰かが、自分のためにわざわざ動いてくれた」と感じるかどうかにかかわらず、チップを払うものと決まっている状況もいくつかありますので、出すタイミングや金額などを確認してみましょう。現地への到着後から順を追って考えてみます。
タクシーチップの料金計算例
空港からタクシーに乗った際、最初のチップ支払いはタクシーです。チップの相場は、メーター料金の15~20%と言われています。私の場合は、料金メーターの数字をベースに1桁少なくした数字とその半分(15%)を足し、端数を切り上げて18%~20%になるようにしています。
例えばメーターが17.95だとしたら、18を基準にして1.8と0.6を足し、切り上げて21ドル手渡すといった感じです。このほかに、スーツケースを積み下ろししてもらったときには1ドル追加します。
ホテルの荷物係、ポーターへは荷物1つにつき1ドル
中高級クラスのホテルでは、タクシーを降りてフロントに向かう間にポーターに声をかけられます。巨大ホテルだと部屋に届くまで意外に時間がかかって逆に不便なこともあるため、いらないと思ったら断ってもよいです。預けるときにチップを渡すかどうかは、このあとの流れ次第です。チェックイン前の時間帯に着いたのなら、ここで出さないとあとは機会がない可能性があります。
チェックイン前の時間に到着した場合は、チェックイン手続きだけして外出することになりますが、この場合は管理番号が振られた引換券をもらっておくとよいでしょう。外出から戻って部屋に入ったとき、もう荷物が届いていたならよいのですが、届いていないときにはベルデスクに電話をして引換券の番号を告げ、届けてもらうことになります。
チェックインしてそのまま部屋に入れる場合は、ポーターが荷物を部屋に運び入れてくれて、出ていくところで渡します。荷物1つにつき1~2ドルが目安です。
ハウスキーパーへのチップあれこれ
ハウスキーパーへのチップは毎日、ベッド1つにつき1ドルです。ベッドサイドテーブルの上に置きます。
シャンプーが足りない、タオルがもう1枚ほしい、などといったリクエストをしたときは、それらを届けてもらったタイミングで、1回1ドルを目安に手渡します。
スタンドの電球が切れている、テレビのリモコンの電池が切れている、などのときには、本来あるべきではない不具合だし・・・とチップをあげるべきか迷いました。でも結局このときは、「交換してください」とのメモに1ドル添えておきました。
ルームサービスのチップは、レシートに数字を書いてもOK
ルームサービスにはレストラン同様、料理代金の15~20%のチップを支払います。支払いは部屋付けにしてチェックアウトの際にまとめて払うのが一般的ですが、大手ホテルチェーンなど、サービス料が自動加算されて請求されることも多くなっています。この場合は、部屋で料理を受け取った時のレシートへはサインのみでOKで、運んでくれたスタッフへ1~2ドル渡します。
サービス料の加算がない場合は、チップ記入欄に「15%」というふうに書いてもOKです。判断しづらいときは、遠慮なくスタッフに質問してみるとよいです。
なお、ホテル内のバーやレストランを利用するときにも、都度支払うのではなく「部屋付け」にするのがスマートな振舞い方です。その際のチップの支払い方も上記と同様です。
アメリカで、市内観光中にチップを出す状況は
美術館や博物館、コンサートホールのクローク
セキュリティ上の理由で、大きな手荷物はクロークに預けることになっている美術館、博物館、コンサートホールといった施設では、預けたものを受け取った時に1ドルを渡すといいようです。実はこれ、私も最近知ったのでした・・・。
レストラン、ダイナー、ファストフード店、持ち帰りのときのチップ
レストランやダイナーでのチップは、利用料金の15~20%が目安です。レシートのチップ記入欄に金額を記載してクレジットカードでまとめて払う方法が最も手軽でしょう。利用料金にチップ分を加算した金額の現金を置く、利用料金のみをクレジットカードで精算してからチップだけ現金でテーブルに置く方もいます。
「チップにコインは使うべきではない」との説がありますが、コイン全部ではなく、アメリカのチップで失礼になるのはペニー(1セント硬貨)のみです。支払いにコインが混じるのは普通のことでしょう。
なお、ファストフード店やコーヒーショップ、レストランでテイクアウトの注文した時にはチップは必要ありません。
スマートなチップの渡し方とは?
アメリカに限らず海外旅行中は、人前で財布を出し入れすることには極力注意が必要です。現金のありかを周囲の人々に知らせることになりますから。
セキュリティの理由だけではないにしても、チップを出すときに財布を広げてお札を出すのはNGと言われています。しかし財布からチップを出す人も、私は何度も見ていますので、これにも「絶対に正しいやり方」は存在しないのでしょう。
私の例で、1ドル紙幣を折りたたんだものを、すぐ出せるように数枚用意しておいています。男性の場合はポケットに、私は女性ですがハンドバックの取り出しやすいところに必ず3ドルぐらい忍ばせておくようにしています。折ったまま渡します。
「相手と握手をするふりをして、手に握らせるとカッコイイ」と言われていたりもしますが、この真偽や価値観も絶対ではないです。少なくとも男性向けではないでしょうか。さりげなく渡すことができれば、それでよいと思います。
まとめ
少額チップこそ出し惜しみしないほうが、相手も自分も気持ちよく、旅行もより楽しくなると思います。何度も書いたように正解はありませんので、多少の試行錯誤もしながら、少しずつコツをつかんでいってみてください。
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