100万ドルの夜景を思い浮かべる香港は、日本からも近く人気の観光地です。
香港が好きになって移住したいという方も多いでしょう。
また、経済都市でもあるので駐在員として香港へ移住する方もたくさんいます。
簡単に移住といってもどのような方法があるのか、また移住するメリットやデメリットを知っておく必要があります。
この記事で、香港移住について確認してみましょう。
香港に移住するには次の3つの方法がある
香港に移住するといっても簡単には移住はできません。やはり海外なので、それなりに条件があります。
まずは、香港に移住するにあたってどのような方法があるのかみてみましょう。
現地駐在員として働く場合
日本企業で働いている人が、香港の現地駐在員として働く場合があります。
ただし、これはあらかじめ対象の企業で働いており、かつ香港にも支店や営業所などがあるときにしか当てはまりません。
自分が香港に行きたいからといって、安易に駐在員として移住するにはいくつもの壁を乗り越えないといけないというデメリットが発生します。
香港で起業する場合
誰でも可能性があるとすれば、移住へのいちばんの近道は香港で起業することです。
あとでお伝えしますが、日本よりも税金が安いために起業しやすく、香港での起業を考えている人が多いのも事実。
日本で起業を考えている人は、香港での起業も視野に入れることで移住が可能となります。
専門的な知識や能力をもっており、香港の経済に貢献できる人
先ほどの香港で起業することと似ていますが、専門的な知識や能力など証明する書類があれば、移住も可能となります。
これは、香港の経済に貢献できると見込まれた人が対象となり、審査に通れば「投資移民ビザ」を取得することが可能。
経済都市で自分の実力をはかるのに、いい機会ですね。
以前はあった投資目的の移住は2015年に申請廃止に
以前は、1000万香港ドル(2019年6月現在に換算すると、1憶3800万円)を投資する人にもビザが発行されて移住が可能でした。
しかし2015年に申請自体ができなくなったため、事実上、投資目的での移住はできません。
「投資移民ビザ」は存在しますが、目的が変わっていますので注意してください。
香港へ移住するメリット
香港に移住するためには、日本と比べてどのくらいメリットがあるのかは重要なポイントです。
住みやすさはもちろん、どのようなメリットが香港にはあるのでしょう。
香港は税金が安い
日本の税収はどんどん高くなり家計の負担を圧迫しています。
その点、香港はとにかく税金が安い。そしてシンプルなのでわかりやすいのもメリットの一つ。
日本と大きく違う点として
- 消費税がない
- 酒税もない
- 住民税を支払う必要がない
- 健康保険料も存在しない(そもそも制度がない)
- 所得税は15%で、日本よりも30%安い
- キャピタルゲイン(主に株式の配当のこと)が非課税。また損失しても無期限で控除の対象に
- 法人税も格安(日本が29.97%に対し、香港は16.5%)
など、日本と比べて税金が安いのがわかりますよね。
とくに上位5つは、生活する上で大きなウエイトを占めているので本当に助かります。
起業するひとも法人税の安さに驚くでしょう。
英語に触れる生活が送れる
香港では主に広東語が話されていますが、もとはイギリス領。英語を話す人もたくさんいます。
英語だけの生活でもじゅうぶん過ごせるのが香港のいいところ。
日本から最短で行ける英語圏といっても過言ではありません。
英語が苦手な人も、自然と英語に触れることができるので、英語の勉強にもなります。
高層ビルだけかと思いきや、自然もたくさんある香港
香港の土地柄、半島や島でできているので日本と同じ海に恵まれています。
海だけでなく、市街地から車で15分ほど走れば山もある、意外と自然に囲まれた場所。
現地の人はハイキングやトレッキングを楽しんでいます。
ビルだけに囲まれた生活は疲れます。
自然があるのは生活をするうえで重要な要素なんですよ。
家事をしなくてもいい夢のような生活
現地の人は、みな家政婦を雇っているほどで家事をする習慣がありません。
富裕層だけでなく、一般庶民でも家政婦を雇っています。
なので、香港では家政婦を雇うのが一般的。家事をする必要がなくなります。
家事をしなくなった分、仕事に当てたりプライベートに当てたりと、時間を充実させることができますね。
移住するには外せない治安の良さ
日本も治安がいいと有名ですが、香港も同じくらい治安の良さに定評があります。
日本人が海外でよく被害にあうスリやぼったくりも、香港では心配することはないほど。
香港では治安の心配もいらず、安心して暮らすことができます。
香港への移住はデメリットもある
メリットがあれば、香港の移住でのデメリットもあります。
デメリットもしっかり考慮したうえで、移住を考えなければいけません。
香港の家賃はおどろきの高さ
香港の家賃の高さは有名で、東京の相場よりはるかに高いといわれています。
たとえば、1ルームの部屋を借りた場合、20万円を視野に入れておかなければなりません。
また、家庭がある人なら2LDKの広さで40万円~と、家賃だけで収入がすべて飛んでいくのではないかというほどです。
香港の人口密度は、世界で3本の指に入る密集地帯。
家賃が高くなるのもわかりますね。
健康保険がない分、医療費は高い
メリットの項目でお伝えしたように、香港には健康保険が存在しません。
つまり、医療費はすべて自己負担になります。日本であれば3割の医療費で済むところが全額なので、病気になったときはかなりの出費。
また、病院も公立と私立では金額も随分変わってきます。
もちろん公立の方が医療費は安く一律というメリットはありますが、数は圧倒的に少ないというデメリットも。
自己負担ということで、医療保険の加入は必須です。
大気汚染の問題で、日本よりも空気はよくない
香港の空気が汚いというよりも、中国からの大気汚染が香港まで流れてくるため、空気はよどんでキレイではありません。
いつも大気汚染の影響があるというわけではなく、中国の大気汚染がひどいときは香港も同様に影響がでてきます。
出かけるときはマスクはもちろんですが、家でも空気清浄機が必要。
気管支が弱い人は、香港での生活スタイルも考えなければいけませんね。
香港に移住するために必要な準備について
香港に移住するには、いろいろな準備が必要となります。
本当に自分に適した場所なのか仕事や住宅の問題は、ノービザなら90日間滞在できるので下見をすることもできます。
移住するためにはビザの取得が必要
現地駐在員として働く場合は「就労ビザ」、香港で起業や専門的な知識を持った人が移住するには「投資移民ビザ」を取得する必要があります。
外国人が香港で7年以上継続して滞在した場合は、さらに上の半永久的居住権も取得できます。
学生の人は学生ビザで移住することになりますね。
香港で生活する拠点(家)を探す
移住するなら住宅も必要です。
初めて香港を訪れるのであれば、日系の不動産を選ぶのがよいでしょう。
家賃は高めですが、日系なので日本語も通じサービスも良好。
香港での生活になれたら、地元の不動産に切り替えるのも手です。
ちなみに、敷金と仲介手数料は香港でもかかり1.5ヵ月分を目安にするといいですよ。
まとめ
香港は中国といえど、特別行政区に指定された都市なのでまったく雰囲気が違います。
治安も良く税金も安い香港は、移住するのに適した街。
移住するポイントとして、デメリットが受け入れられるかどうかです。
デメリットをしっかり把握して、移住に向けたスタートを開始しましょう。