ナイジェリアはアフリカ大陸の中で面積の大きさも人口の多さも一番です。スクルの文化的景観とオシュン=オショグボの聖なる木立は世界遺産に登録されており、治安が良ければ観光に訪れたいと考えている人も多いでしょう。しかしナイジェリアの治安はあまり良くないイメージがあります。現在のナイジェリアはどのような様子なのでしょうか。
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ナイジェリアの治安はかなり悪い!
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ナイジェリアの治安を確かめるためには外務省のホームページを参考にすると良いでしょう。外務省はホームページで海外の安全度を4段階にわけて公表しており、内訳は以下の通りとなります。
・レベル1:十分注意してください。
・レベル2:不要不急の渡航は止めてください。
・レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)
・レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)
ナイジェリアは全域がレベル2~4に指定されています。特にボルノ州、ヨベ州、アダマワ州はレベル4の退避勧告が出されています。北東部に過激派組織の拠点があるためです。テロ事件や外国人の誘拐事件が頻発しており、現在の状況では渡航を控えた方が良いでしょう。なぜテロ事件や外国人の誘拐が頻発しているのか、ナイジェリアの治安が悪い理由を見ていきます。
ナイジェリアの治安が悪いのはテロが頻発しているから
テロ事件が頻発しているのは「ボコ・ハラム」という過激派組織が活動しているからです。ボコ・ハラムは2002年ごろ設立されたイスラム教スンニ派過激派組織です。西洋式教育や異教徒、ボコ・ハラムを受け入れない人々を攻撃の対象にしていて軍との衝突を繰り返しているのです。
ナイジェリア北東部に拠点を持つため、以前のテロは北東部で多発していましたが現在では国内に分散して活動しているため首都のアブジャでも爆破テロが発生しています。数年の間に発生したテロの事例を挙げます。
・2014年:ボルノ州でキリスト教徒が多く住む村が襲われて100名以上が犠牲となる
・2015年:ボルノ州で約2000人の住民が虐殺される
・2016年:ニジェール軍の駐屯地を襲撃してニジェール軍兵士30人が死亡
・2017年:ボルノ州でナイジェリア国営石油公社のチームが襲撃を受けて69人が死亡
・2018年:ボルノ州の軍事基地が襲撃されて兵士48人が死亡
他にもたくさんのテロ事件が起きていて事態は深刻です。軍の兵士だけでなく民間人が犠牲になることも多いです。子供は自爆テロに使うため、女性は子供を産ませるために子供と女性が中心に連れ去られています。
ナイジェリアでは誘拐事件も多発!治安は悪化の一途
テロ事件と同時に誘拐事件も頻発しています。誘拐されるのは外資系企業駐在員か外国人で身代金目当てかテロ活動の一環が理由です。また、石油の利権を巡る争いが起きているため石油施設の関係者が誘拐されることもあります。直近で発生した事案をいくつかご紹介します。
・2017年:ドイツ人学者2名が誘拐され同行していたナイジェリア人が殺害される
・2018年:ナイジェリア国営石油会社のスタッフが誘拐され殺害される
・2018年:船に乗っていた韓国人漁師が誘拐される
誘拐事件は後を絶たちません。なるべく渡航は控えて、現在ナイジェリアにいる場合は十分周りを警戒して目立たないようにしましょう。外国人というだけで犯罪のターゲットにされやすいためです。
治安が悪いナイジェリアではテロ以外の犯罪も多い!
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ナイジェリアではテロ事件や誘拐事件以外の犯罪も多く発生しています。特に多いのが強盗と国際的金融詐欺です。強盗は路上で発生する場合と車を運転中に発生する場合があります。それぞれの手口を詳しく見ていきましょう。
治安の悪いナイジェリアでは強盗に注意
経済が混乱しているためナイジェリアでは失業率が高く貧しい人々が多い実情があります。そのため外国人はお金持ちというイメージを持たれていて犯罪に巻き込まれる可能性が高いのです。路上を歩いている時だけでなく車を運転中にも襲われることがあります。釘を道にまいておき、パンクして停車した車を襲う手口があります。他にも走行中の車に生卵を投げて、驚いて停車した車を襲う手口も確認されています。
車を停車されると襲撃される可能性があるため、たとえパンクしていても安全なところまで車を走らせて救助を求めましょう。
治安の悪いナイジェリアを中心とした国際的金融詐欺ってなに?
日本に居ながらにして遭う可能性がある詐欺の一つです。ナイジェリアの政府関係者を名乗る人物がメールや国際電話で、指定する口座に振り込むだけで多額の利益が受け取れると持ちかけてくるのです。誘惑に惑わされて話に乗ってもお金が返ってくることはまずありません。ナイジェリアの司法制度の下では犯人を検挙することすら困難です。旅行に行かなくても巻き込まれるので気を付けましょう。
どうしてもナイジェリアに行くなら治安を考慮して海外旅行保険の加入は必ず!
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ナイジェリアは首都のアブジャでも危険度レベル2で不要不急の渡航は止めるよう指示が出ているので渡航はおすすめできません。どうしてもナイジェリアへ行かなければならない場合は海外旅行保険に必ず加入しましょう。他の国を訪れるよりも事件や事故に巻き込まれる可能性は格段に高いので補償内容は充実させた方が安心です。ナイジェリアを旅行する場合の保険料の目安をご紹介します。
・au損保保険ブロンズ:1950円
・エイチ・エス損保保険たびとも:2080円
・損保ジャパン日本興亜off!:2190円
・au損保保険シルバー:2458円
・ジェイアイt@bihoたびほカスタマイズプラン:2920円
・三井住友海上ネットde保険@とらべるタイプA:3060円
・au損保保険ゴールド:3269円
・三井住友海上ネットde保険@とらべるタイプB:5160円
・三井住友海上ネットde保険@とらべるタイプC:6620円
ナイジェリアに5日間滞在した場合の海外旅行保険の料金です。1950~6620円とかなり幅広いですが、金額が高いのは弁護士費用とテロ等対応費用がセットになっているためです。金額の安さで選ばずに十分吟味して補償内容が充実しているものを選びましょう。
例えば、同じ三井住友海上ネットde保険@とらべるで保険料の金額が3060円、5160円、6620円の3つにわかれているのは補償内容の充実度が違うからです。補償内容をそれぞれ比較してみましょう。
・傷害死亡:タイプA1000万円、タイプB2000万円、タイプC3000万円
・治療、救護費用:タイプA1000万円、タイプB2000万円、タイプC3000万円
・携行品損害:タイプA30万円、タイプB30万円、タイプC50万円
保険料が3000円違うだけで傷害死亡の保証金額は1000万円から3000万円に上がります。もしものために補償内容はしっかり確認しておきましょう。金額だけで決めるともしもが起きた時に後悔することになります。
ナイジェリアの治安がよくなることを願って
ナイジェリアは全域で危険度が高い状態なのでただの旅行で訪れるのは避けるべきです。どうしても滞在しなければいけない場合は必ず海外旅行保険に加入しましょう。弁護士費用とテロ等対策費用が付属していると安心です。
テロにはいつ巻き込まれるかわかりません。民間人が突然誘拐されたりテロの被害者となるのはとても悲しいことです。事件に遭わないためにも十分警戒して過ごしましょう。ナイジェリアの治安が良くなり世界遺産を安全に見に行ける国になってほしいものです。