スーツケースのサイズは「日数 × 容量 × 航空会社規定」の3軸で決まります。にもかかわらず店頭のS/M/Lはメーカー毎にバラバラで、同じ「Mサイズ」でも60Lの店もあれば75Lの店もあり、買ってから「小さすぎた」「大きすぎて持ち込み拒否」という失敗が後を絶ちません。
このページは「何泊なら何リットル」「機内持ち込みの3辺は?」「ANA・JAL・LCCの規定差は?」といった疑問を、早見表1つで即答できるようにまとめた実務ガイドです。
では本題のスーツケースサイズを、日数別・航空会社別・失敗パターン別に一気に見ていきます。
目次
【結論・早見表】日数とサイズの対応一覧
まず結論だけ知りたい人のために、「何泊ならどのサイズが最適か」の早見表を置きます。下の表を見て、自分の旅行日数に合う容量を確認してください。迷ったら1サイズ上が基本です(お土産・帰りの荷物増加分を見込む)。
| 宿泊日数 | 推奨容量 | 一般的な呼称 | 機内持ち込み | 3辺合計(目安) |
|---|---|---|---|---|
| 1泊2日 | 20〜30L | SSサイズ | ◎ 機内OK | 105cm前後 |
| 2〜3泊 | 30〜40L | Sサイズ | ◎ 機内OK | 113cm前後 |
| 3〜5泊 | 40〜60L | Mサイズ | △ 一部機内可 | 125〜140cm |
| 5〜7泊 | 60〜80L | M/Lサイズ | × 要預入 | 140〜155cm |
| 7〜10泊 | 80〜100L | Lサイズ | × 要預入 | 155〜165cm |
| 10泊以上・長期 | 100L以上 | LL/XLサイズ | × 要預入 | 165〜180cm |
この表は「衣類+洗面用具+お土産スペース」を含めた実用容量の目安です。冬の寒冷地や雪山へ行く場合はかさばる衣類分として+10〜20L、リゾート地で水着中心なら−10Lで調整してください。
S/M/Lは統一規格ではない・メーカーで違う
多くの人が勘違いしているのが「Mサイズ=◯◯L」という固定規格だと思い込んでいる点です。実際にはメーカー毎にバラバラで、同じ「Mサイズ」でも容量が20L以上違います。
主要メーカーのMサイズ容量比較
| メーカー | Mサイズの容量 | 3辺合計 | 想定日数 |
|---|---|---|---|
| RIMOWA(Essential M) | 60L | 140cm前後 | 4〜6泊 |
| Samsonite(Cosmolite M) | 68L | 145cm前後 | 5〜7泊 |
| ACE(PROTECA M) | 64L | 146cm前後 | 4〜6泊 |
| BERMAS(M) | 66L | 144cm前後 | 5〜7泊 |
| 無印良品(中) | 62L | 148cm前後 | 5〜7泊 |
つまり店頭で「Mサイズ」とだけ書かれたスーツケースを買うのはかなり危険。必ず「容量(リットル)」か「3辺のcm」で確認してください。
容量(リットル)と衣類枚数の目安
リットルの感覚がつかめない人のために、具体的に何が入るかを示します。
| 容量 | 入るものの目安 |
|---|---|
| 30L | 着替え3日分+下着・靴下+洗面用具+薄手の上着 |
| 50L | 着替え5日分+厚手衣類1枚+靴1足+お土産少々 |
| 70L | 着替え7日分+靴2足+かさばる上着+お土産中 |
| 90L | 着替え10日分+冬物フル装備+お土産大量 |
機内持ち込みサイズの厳密な規定
「機内持ち込み=3辺合計115cm以内」とざっくり覚えている人が多いですが、実は機体の座席数で2つに分かれているのが正しい規定です。
国内線(ANA・JAL共通)
| 座席数 | 3辺合計 | 3辺寸法 | 重量 | 該当機材の例 |
|---|---|---|---|---|
| 100席以上 | 115cm以内 | 55×40×25cm | 10kg | B737、A321、B767、B787等 |
| 100席未満 | 100cm以内 | 45×35×20cm | 10kg | DHC8、ATR42等(小型機) |
ポイントは地方路線の小型機(DHC8等)は100cmルールで、通常のキャリーバッグが入らないケースがあること。北海道・沖縄の離島や、伊丹↔高知などで発生しやすいので、予約時に機材を確認してください。
国際線(ANA・JAL・多くの大手キャリア)
| クラス | 個数 | 3辺合計 | 寸法例 | 重量 |
|---|---|---|---|---|
| エコノミー | 1個+身の回り品1個 | 115cm以内 | 55×40×25cm | 10kg(ANA・JAL) |
| ビジネス/ファースト | 2個 | 115cm以内 | 55×40×25cm | 合計18kg程度 |
LCC(ピーチ・ジェットスター・春秋航空など)
LCCは大手よりもさらに厳しい規定です。特に「3辺合計」ではなく「縦×横×厚み」で個別に制限される点に注意。
| 航空会社 | 3辺寸法 | 3辺合計 | 重量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Peach | 50×40×25cm | 115cm以内 | 7kg(身の回り品含む) | 2個合計で7kg |
| Jetstar | 56×36×23cm | 115cm以内 | 7kg | プラス7kgオプション有 |
| ZIPAIR | 55×40×25cm | 115cm以内 | 7kg | 身の回り品含む |
| 春秋航空日本 | 56×36×23cm | 115cm以内 | 7kg | 1個のみ |
| エアアジア | 56×36×23cm | 115cm以内 | 7kg | プラス7kgオプション可 |
LCC最大の落とし穴は「7kgルール」です。サイズが規定内でも重量超過で預入料金を取られるので、事前に計りで重量チェックしてから空港へ。
預け入れ(受託手荷物)のサイズ規定
機内持ち込みを超えるサイズは預け入れ(受託手荷物)になります。この規定も路線によって大きく違います。
国際線の受託手荷物サイズ(3辺合計)
| エリア | 3辺合計 | 3辺合計(インチ) | 代表航空会社 |
|---|---|---|---|
| アジア・オセアニア | 158cm以内 | 62inch | ANA、JAL、キャセイ、シンガポール航空 |
| 北米・欧州 | 158cm以内(多く) | 62inch | ユナイテッド、デルタ、ルフトハンザ |
| 一部路線(大型) | 203cm以内 | 80inch | 一部ビジネスクラス、移民路線等 |
国際線の主流は158cm(62インチ)と覚えておけばOK。これを超えると「特大荷物」扱いで追加料金が発生します。
国内線の受託手荷物(ANA・JAL)
| 制限項目 | サイズ | 重量 |
|---|---|---|
| 無料 | 3辺合計203cm以内 | 20kg(普通席)/40kg(上位クラス) |
| 追加料金 | 203cm超〜250cm以内 | 6,000〜10,000円/個 |
| 受付不可 | 3辺合計250cm超 | — |
3辺の正しい測り方
スーツケースの「3辺合計」は、キャスター・ハンドル・取っ手を含めた外寸の合計です。ここを内寸で測ると規定内だと勘違いして、空港で引っかかります。
正しい測り方の手順
- 高さ(H): キャスターの底から、持ち上げたときの一番上のハンドル頂点までを測定
- 幅(W): 本体の左右の最大幅を測定(側面ハンドルを含む)
- 奥行(D): 本体の厚みを測定(マチ拡張している場合は拡張後)
- 合計: H + W + D を足す
多くのメーカー公式サイトで「外寸」と記載があるのはこの測り方です。拡張機能付き(Expandable)のスーツケースは、拡張した状態の寸法を基準にしてください。拡張した瞬間に規定オーバーになるモデルが大量にあります。
失敗事例・買い替えパターン4選
実際に「買ってから後悔した」パターンを4つ紹介します。同じ失敗を繰り返さないためのチェックポイントつきで解説します。
失敗1: 「2泊3日だから小さめ」でSサイズ→お土産が入らない
海外では行く前に予想していなかった「ハマり買い」が発生しやすく、帰りの荷物が行きの1.5倍になることは普通にあります。2〜3泊でもMサイズ(40〜60L)を選ぶか、折り畳みエコバッグを忍ばせておくのが鉄則。
失敗2: 「大は小を兼ねる」で90L→空っぽでも持ち歩きが重い
90L超のスーツケースは空の状態で5〜6kgあるモデルが多く、荷物を入れると10kg超えが普通。女性や高齢者が扱うと、ホテルの階段・地下鉄の段差で持ち上げが困難になります。容量と自分の体力のバランスを見てください。
失敗3: 機内持ち込みのつもりが地方路線で入らない
羽田→札幌のB767(大型機)では通った55×40×25cmのスーツケースが、札幌→女満別のDHC8(小型機)で入らず、空港で預入になるケース。国内線でプロペラ機・小型機が含まれるなら100cm以内を選ぶのが無難。
失敗4: LCC予約後にサイズ超過で高額料金
Peach・ジェットスター等のLCCは「事前予約で預入20kg=3,000円」でも、空港で当日申告すると6,000〜8,000円になります。さらに7kg機内持ち込み制限を超えると、チェックインカウンターで預入に回され、LCCの激安メリットが消し飛びます。
国際線・国内線・LCCの早見表(総合版)
ここまでを1つにまとめた総合早見表です。旅行前にブックマーク推奨。
| カテゴリ | 航空会社・路線 | 機内持ち込み | 受託手荷物 | 重量制限 |
|---|---|---|---|---|
| 国内線(大型) | ANA/JAL 100席以上 | 55×40×25cm / 合計115cm | 合計203cm | 機内10kg/預入20kg |
| 国内線(小型) | ANA/JAL 100席未満 | 45×35×20cm / 合計100cm | 合計203cm | 機内10kg/預入20kg |
| 国内線 LCC | Peach/Jetstar/春秋 | 55×40×25cm前後 | 20kgまで(事前購入) | 機内7kg |
| 国際線 大手 | ANA/JAL/大手FSC | 55×40×25cm / 合計115cm | 合計158cm | 機内10kg/預入23kg |
| 国際線 LCC | ZIPAIR/AirAsia | 55×40×25cm前後 | 20〜25kg(事前購入) | 機内7kg |
シーン別おすすめサイズ
典型的な旅行パターン別にベストサイズを提案します。
出張(1〜2泊・ビジネスホテル)
機内持ち込み可能なSサイズ(30〜40L、3辺113cm以内)が最適。クリーニング受付の時間が惜しい場合はやや大きめ(45L前後)を。
週末旅行(2〜3泊・国内)
40L前後のSサイズ。機内持ち込みで空港の時間短縮ができ、回転もラク。
アジア旅行(3〜5泊・夏)
50〜60LのMサイズ。現地で服やスーツケース自体を買い足す予定なら40Lでも可。
ヨーロッパ旅行(7〜10泊・冬)
80〜90LのLサイズ必須。コート・セーター等かさばる衣類と、帰りのブランド品・お土産スペース確保。
長期留学・ワーホリ(1ヶ月〜)
100L以上のXLサイズ+機内持ち込みS(40L)の2個持ち。現地で生活品を調達する期間をカバー。
家族旅行(大人2+子ども1以上)
Lサイズ(80L)1つに家族分を詰めるより、各自Mサイズ(50L)×人数のほうが持ち運び負荷が分散されます。
失敗しないスーツケース選びの5ステップ
- 日数確定: 実日数+予備1日でサイズ判定
- 路線確認: 機材(大型/小型/LCC)を予約時にチェック
- 目的地の荷物量: 冬・長期・お土産多い→1サイズ上
- 材質: ハード(ポリカ)=軽量耐衝撃/ソフト(布)=拡張性
- キャスター: 4輪静音が基本、地方旅行なら2輪も可
スーツケースの破損・紛失に備える保険
ここまでサイズを完璧に選んでも、空港でスーツケースが破損する/中身を盗まれる/ロストバゲージで届かないのは避けられません。特に海外旅行では以下のトラブルが多発します。
- キャスターがもげる(ベルトコンベア上で引きずられる)
- ハンドルが折れる(乱暴な積み込み)
- ファスナーが裂けて中身流出
- 外装のへこみ・傷(ハードケースでも発生)
- ロストバゲージ(積み替え便で最大48時間不着が多い)
これらをカバーするのが海外旅行保険の携行品損害と受託手荷物遅延費用です。
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- 傷害治療 200万円(海外でのケガ)
- 賠償責任 3,000万円(ホテル備品破損・他人への加害)
- 救援者費用 100万円(家族の現地駆けつけ費)
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※ キャンペーン内容は時期により変動します。最新情報は公式サイトでご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. スーツケースは何泊なら何リットルが目安?
1泊=10L前後の計算が基本です。1〜2泊20〜30L、3泊40〜50L、1週間70〜80L、2週間90〜100Lが目安。冬物やお土産を多く見込むなら+10〜20Lしてください。
Q2. 機内持ち込み可能な3辺の合計は?
国内線・国際線の大手航空会社は3辺合計115cm以内・3辺が55×40×25cm以内。ただし国内線の100席未満機材(プロペラ機等)は100cm以内・45×35×20cm以内と狭くなるので注意。
Q3. 預け入れスーツケースのサイズ制限は?
国際線は3辺合計158cm以内が主流。国内線は203cm以内まで無料(追加料金で250cmまで可)。超過すると「特大荷物」扱いで1個6,000〜10,000円の追加料金が発生します。
Q4. SサイズMサイズはメーカーで違う?
大きく違います。同じMサイズでもRIMOWA 60L vs Samsonite 68L vs BERMAS 66Lと8L以上の差。サイズ表記ではなく必ず「リットル」か「cm」で確認してください。
Q5. スーツケースのサイズはどう測る?
キャスターとハンドルを含めた外寸で測ります。高さ(キャスター底から上端ハンドル頂点)+幅(側面ハンドル含む)+奥行(マチ拡張時は拡張後)の合計。
Q6. LCCで気をつけるサイズは?
LCCは3辺合計115cm以内・重量7kg以内が多く、重量制限が特に厳しいです。サイズ規定内でも重量オーバーで追加料金を取られるので、事前にキッチンスケールや旅行用ハカリで計量してから空港へ。
Q7. 拡張機能付きスーツケースは規定オーバーになる?
なります。多くの拡張モデルは「未拡張時115cm以内/拡張時120〜125cm」と拡張するとアウトになります。機内持ち込みしたい場合は絶対に拡張しないでください。
Q8. 子ども用スーツケースはどのサイズ?
3〜6歳は20〜25L、小学生は30〜40L。子ども自身が扱えるサイズ(体重の3分の1以下)を選ぶと疲労が減ります。機内持ち込み対応のS以下が無難。
Q9. 大きすぎるスーツケースは空港で何が起こる?
機内持ち込み規定をオーバーすると、チェックインカウンターで預入に回されるか、ゲートで「タグ装着」されて事実上の預入扱いになります。LCCならこの時点で追加料金が発生。
Q10. スーツケースは買うよりレンタルの方がいい?
使用頻度次第です。年2回以上の旅行なら購入(3〜5万円)の方が安上がり、年1回以下ならレンタル(1週間3,000〜5,000円)が経済的。長期留学等は最低1個は買った方が便利。
まとめ:3つの原則で失敗しないサイズ選び
- 日数×10Lを基準に+1サイズ上 — お土産・帰りの荷物増を見込む
- S/M/Lは信用せずcmとリットルで確認 — メーカー毎に大きく異なる
- 路線の機材を予約時に確認 — 小型機・LCCは規定が狭い
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関連記事:
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・受託手荷物のルールと料金
・キャリーケースのおすすめ
・スーツケースの選び方(素材・キャスター)








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