海外旅行の持ち物を準備するとき、意外と忘れがちなものってありますよね。健康な方の場合「薬」もそのひとつです。旅先で不意に体調を崩す可能性も考えて少し持っていきたいものです。
また持病がある方や、多めの薬を持っていかなければならない方は、セキュリティチェックでひっかかる不安があると思います。今回はその両方のケースについて対処方法を考えてみたいと思います。
目次
海外旅行には、飲みなれた日本の薬も持っていこう
普段めったに風邪などひかない、という方でも、海外旅行先では日常生活とは環境がガラリと変わるため、不意に体調を崩すことがあります。そんなとき、手元に飲みなれた日本の薬があると便利です。
どんな市販薬を持っていけばいい?
一般的な市販薬のうち、飲んだことがあってご自分の体質に合うことが分かっている風邪薬や胃腸薬、鎮痛剤などは、私も毎回必ず旅行に持参しています。風邪薬は特に出番が多いです。また海で泳いだときにサンゴや岩ですり傷を作ってしまい、バンドエイドが活躍することもけっこうあります。
現地で買おうとすると難しいから
薬は、現地でももちろん売られてはいるのですが、日本と全く同じ薬はめったにありません。言葉が不自由な状態で目的の薬を見つけることは難しいことは容易に想像できるでしょう。また、欧米の薬は、小柄な日本人には1回分の量が多すぎる場合もあります。
私の知人に、奥さんのために身振り手振りの熱演で風邪薬をゲットしたという人がいましたが、武勇伝かのようになっていましたので、本人は相当必死でたいへんな思いをしたのだと思います。もし同行者がおらず、自身が体調不良の状態で探すとなると、なおさらたいへんでした。
などなどを考えると、日本人の体質に合う日本の薬を持っていったほうがよいこと、もうお分かりですね。たいして荷物になるものでもないし、使わなくても短期間で悪くなるものでもないし、持ち物リストにはぜひ「薬」を追加しておきましょう。
また、医薬品のカテゴリではありませんが、日本のドラッグストアで買えるもので海外旅行に持って行って重宝するものには、日焼け止め、日焼け後のケアのためのローション、虫よけスプレー、などがあります。主には旅行先がビーチリゾートの場合になりますが・・・。
スプレー類はガス入りではなく霧吹きタイプを選ぼう
なお、虫よけスプレーの類を選ぶときには、航空会社の持ち込み制限のことを考えて、ガスで噴射するタイプの製品よりは霧吹きタイプがおすすめです。
例えば日本航空の場合「1容器0.5kgまたは0.5リットル以下で、お一人様2kgまたは2リットルまで」とされてはいますが、セキュリティチェックのときに聞かれて、量は規定内であるにもかかわらず、スーツケースを開けて確認されるようなことも実際にあります。(私が経験者です)
持病がある場合、海外旅行に薬はどうやって持っていく?
持病がある方が、毎日飲んでいる処方薬を1週間程度の旅行へ持ち込む場合は、あまり心配はいりません。ただ、セキュリティチェックの際に、持ち込む分量が多いと思われてしまうと係員に質問される可能性があります。病状にもよりますがこのような場合は、機内で服用する分のみ機内持ち込み手荷物に入れ、残りはスーツケースに入れて預ける方法があります。
何の薬か聞かれたらどうしよう。そんなときへの対策
持ち込む薬の量がたいして多くない場合は、すべて機内持ち込み手荷物に入れてもOKですが、念のため、セキュリティチェックの係員に「これは何の薬だ?」と聞かれたときに答えられるようにはしておいたほうがよいです。
といってもほとんどの場合、英語の薬剤説明書が必要というほどではありませんので、薬の袋に英語で「medicine for diabetes(糖尿病の薬)」といったふうに手書きしておく程度でOKです。口頭で「ダイアビーティス」などと言っても通じない可能性も高いため、書いておくのが無難でしょう。ただし誰にでも読みやすいように大きな字で書いてくださいね。
麻薬だと疑われるケースがある?
処方薬の分包になっている白い粉薬や自己注射剤は、海外では麻薬常用者の疑いをかけられることがあり、海外旅行に持っていく必要がある場合には特に注意が必要です。白い粉薬は、麻薬ではないことを示すために上記の英語の記載をしておいたほうがよいです。また、スーツケースに入れて預けると、スキャンされたときに発見されて逆に余計に不審に思われてしまう可能性が高いため、機内持ち込みにして、セキュリティチェックや税関で必要に応じて説明できるようにしておいたほうがよりよいでしょう。
錠剤は、同じ形のものを大量に持っていると、麻薬や持ち込み禁止薬の類だと疑われる可能性があります。「大量」の目安も難しいですが、販売目的と疑われる量かどうか、というところが判断の分かれ道のようです。例えば私が留学したときに、3か月分の胃薬の錠剤270錠をスーツケースに入れてアメリカに持ち込んだときには、問題にはされませんでした。
また、糖尿病やアレルギーなどの自己注射剤は基本的に機内持ち込みしてよいことにはなっているのですが、事前登録の必要があるなど、取り扱いは航空会社によって異なります。早めに航空会社に問い合わせて正規の手続きを行ったほうがよいでしょう。
英文証明書があったほうがよいのでは?
持病の種類や症状の程度、また服用している薬の種類によっては、海外旅行に英文証明書を持参したほうがよい方もいます。セキュリティチェックや税関での薬の説明だけでなく、万一旅行先で現地の医療機関にかかることになった際に、現地のお医者様に状況を素早く理解してもらい、スムーズに適切な治療を受けられる目的でも使えるため、持っていると安心かもしれません。
英文証明書を用意したほうがよいかどうかは、まずはかかりつけのお医者様に相談してみましょう。
なおここで、お医者様がすぐ英文証明書の作成に対応できるかどうか、という別の問題が出てくる可能性も高いです。日本国内のほとんどのお医者様は、英文証明書の作成の機会などめったにないこともあり、こういった対応には慣れていません。
もしかかりつけの医療機関で英文証明書の作成を断られてしまったら、まずは日本語で証明書を作成してもらい、それを翻訳してくれる別の医療機関や専門家を探す必要が出てきます。いずれにしても、旅行が決まり次第、早めに対策を始めることをお勧めします。
薬の持ち込みに関しての英文証明書は、医療用麻薬、向精神薬、国の薬の認可の法律によって異なる持ち込み禁止薬など、あったほうがよいこともあります。航空会社にどのような薬なら証明書があったほうがよいなか相談するのもよいと思います。また、海外旅行保険の保険会社が詳しいアドバイスをくれることもありますので、問い合わせてみるとよいです。
まとめ
旅行先で体調不良になってもすぐに対処できるようにするために、「薬」は旅行の大切な持ち物のひとつです。ひどくなる前に治してしまうことも、楽しく旅行を続けるために大切なことですからね。
持病がある方は、旅先での体調について、また持ち込む特殊な薬について心配事が多いと思いますが、この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
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