エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症)は、長時間同じ姿勢で座り続けることで足の静脈に血栓ができ、肺動脈を詰まらせる病気。最悪の場合は死に至る重篤な疾患で、長時間フライトでは4〜12時間の座りっぱなしが大きなリスク要因になります。JAL・ANAも機内での予防を強く呼びかけており、正しい対策を知っていれば確実に予防できます。
このページでは、エコノミー症候群の原因・症状・具体的な予防法(水分・運動・着圧ソックス等)・発症時の対応・リスク要因を完全解説します。
では、エコノミー症候群の原因と具体的対策を見ていきます。
目次
【結論・早見表】エコノミー症候群対策の5つの柱
| 対策 | 具体的な方法 |
|---|---|
| 1. 水分補給 | 1〜2時間おきに200mL以上の水 |
| 2. 定期的な足の運動 | 1時間おきに足首・ふくらはぎのストレッチ |
| 3. 着圧ソックス | 医療用または旅行用の弾性ストッキング着用 |
| 4. 通路側の座席選択 | 立ち上がりやすく運動しやすい |
| 5. アルコール・カフェイン控えめ | 利尿作用で脱水悪化 |
ポイントは「水分+足の運動+着圧ソックス」の3点セットで、これだけで発症リスクを大幅に減らせます。
エコノミー症候群とは
病気の正体
医学名は肺血栓塞栓症(PE)または深部静脈血栓症(DVT)。長時間座り続けることで足の深部静脈に血栓ができ、それが肺に飛んで肺動脈を詰まらせます。
なぜ起こる?
- 座りっぱなしで足の血流が滞る
- 機内の低気圧・低湿度で脱水しやすい
- 脱水により血液が粘りやすくなる
- アルコール・カフェインで脱水が悪化
「エコノミー」は誤解
ビジネスクラス・ファーストクラスでも発症します。クラスではなく「座りっぱなしの時間」が問題なので、正式な病名は「旅行者血栓症」とも呼ばれます。
エコノミー症候群の症状
足の血栓段階(初期)
- 片方のふくらはぎが腫れる
- ふくらはぎの痛み・熱感
- 皮膚が赤くなる
- 足を動かすと痛み
肺への飛散段階(危険)
- 突然の胸痛
- 呼吸困難・息切れ
- 咳・血痰
- 動悸・失神
- 冷汗・意識障害
後者の症状が出たら即座に救急車(救急医療)。5〜15%が死亡する致命的な疾患で、対応の遅れは命に関わります。
リスクが高い人
高リスク要因
| 要因 | リスク倍率 |
|---|---|
| 40歳以上 | 年齢とともに上昇 |
| 肥満(BMI 30以上) | 2〜3倍 |
| 妊娠・出産後 | 2〜5倍 |
| ピル服用 | 2〜4倍 |
| がん・心疾患 | 2〜10倍 |
| 過去の血栓症既往 | 3〜5倍 |
| 長時間座りっぱなし(4時間以上) | 発症リスク増加 |
| 脱水状態 | 血液粘度上昇 |
| 喫煙 | 2倍 |
上記に当てはまる方は、特に念入りな予防が必要です。
出発前の準備
1. 着圧ソックスの購入
薬局・ネットで1,500〜3,000円で購入可能。医療用の「弾性ストッキング」なら圧力15〜20mmHg程度。旅行用の市販品でも十分効果あり。
2. 機内食で薄味・減塩
塩分は水分を保持するが、血管にストレス。可能なら減塩機内食を事前リクエスト。
3. ゆったりした服装
タイトな服・きついベルトは血流を阻害。伸縮性のある服、緩めのズボンを選ぶ。
4. 体調不良時は受診
風邪・発熱・脚の違和感がある場合、長時間フライトの前に医師に相談。症状悪化で機内で発症するケースも。
機内での予防法(最重要)
1. 水分補給(1〜2時間おきに200mL)
機内は湿度10〜20%で脱水しやすい。1フライトで合計1〜2Lの水分補給が目安。フライトアテンダントに水をリクエストするか、水筒持参(セキュリティチェック後に空のまま持ち込み、水を補充)。
2. 1時間おきの足首運動
座ったままでも以下の運動で血流を保てます。
- 足首回し: 左右10回ずつ
- つま先上下: 踵をつけたまま30回
- 膝曲げ伸ばし: 10回
- ふくらはぎマッサージ: 手でギュッと握って離す
3. 2〜3時間おきの立ち上がり
可能なら通路を歩く。トイレに行く、キャビン後方に立って伸びをするだけでも効果的。
4. 着圧ソックス着用
出発前から着用。機内で血流を物理的にサポート。
5. アルコール・カフェインを控える
利尿作用で脱水を加速。飲むならコップ1杯程度に。
6. 深呼吸で酸素供給
1時間おきに5〜10回の深呼吸。酸素が全身に行き渡り血流もスムーズに。
座席選びのコツ
通路側がおすすめ
窓側は立ち上がるのに両隣の乗客を起こす必要があり躊躇する。通路側なら自由に動ける。
前方・後方の選択
前方: 機内食が早く来る・降機が早い、後方: キャビン後方のギャレー(台所)付近で立ち上がりやすい。長時間フライトなら後方がエコノミー症候群対策には有利。
非常口座席
追加料金で足のスペースが広い非常口席を選ぶと、足のストレッチが容易。ANA・JALなら5,000〜10,000円程度。
プレミアムエコノミー・ビジネスクラス
座席が広く横になれるため、エコノミー症候群リスクが大幅減少。長時間フライト・健康リスク高めの方は検討価値あり。
着圧ソックスの選び方
圧力レベルの選択
| 圧力 | 用途 |
|---|---|
| 10〜15 mmHg | 軽度のむくみ・旅行予防 |
| 15〜20 mmHg | 一般旅行者のエコノミー症候群予防(推奨) |
| 20〜30 mmHg | 医療用・高リスク者向け |
| 30 mmHg以上 | 医師の指示下で使用 |
サイズ選び
きつすぎると血流阻害、緩すぎると効果なし。ふくらはぎの最大周囲を測って表記サイズを選ぶ。
推奨ブランド
- メディキュット(ドラッグストア・1,500〜3,000円)
- スリムウォーク(ドラッグストア・1,500〜3,000円)
- Toppoint(医療用)(薬局・5,000円〜)
- Sigvaris(医療用高級・8,000円〜)
長時間フライト中のセルフケア
ストレッチプラン(4時間フライト例)
| 時刻 | 内容 |
|---|---|
| 0分(離陸時) | 着圧ソックス着用確認・水分補給 |
| 60分後 | 足首回し×10・水200mL |
| 120分後 | 通路歩行・トイレ・水200mL |
| 180分後 | ふくらはぎマッサージ・水200mL |
| 240分後(着陸前) | 最終的なストレッチ・着陸 |
長時間フライト(8〜12時間)のプラン
食事タイミング+1時間おきに足首運動・2時間おきに立ち上がり・継続的な水分補給を徹底。
発症が疑われた時の対応
機内で発症
以下の症状が出たら即フライトアテンダントに通知:
- 片方のふくらはぎが急に腫れる・痛む
- 突然の胸痛・呼吸困難
- 咳・血痰
- 失神・意識障害
機内には酸素吸入装置・医療機器があり、医師が搭乗している場合の対応も可能。最悪の場合は最寄り空港に緊急着陸することも。
到着後に発症
到着後数時間〜数日で発症するケースも。到着後に片足だけ腫れる・痛む等の症状があれば即病院へ。
海外で受診する場合
エポスカード等の海外旅行保険でキャッシュレス治療が可能。提携病院に直接連絡して受診を。
エコノミー症候群の治療
軽度(深部静脈血栓症のみ)
- 抗凝固薬(血液サラサラ薬)
- 2週間〜数ヶ月の服用
- 通院治療で対応
重度(肺血栓塞栓症)
- 緊急入院
- 抗凝固薬・血栓溶解薬の投与
- 場合により手術(血栓除去)
- 2〜4週間の入院
現地医療費の目安
| 地域 | 軽度 | 重度(入院・手術) |
|---|---|---|
| 米国 | 30〜50万円 | 300〜500万円 |
| 欧州 | 20〜40万円 | 150〜300万円 |
| アジア | 10〜30万円 | 80〜150万円 |
長時間フライト別のリスク評価
| フライト時間 | リスク | 対策レベル |
|---|---|---|
| 〜3時間 | 低 | 基本的な水分補給 |
| 4〜8時間 | 中 | 水分+1時間おき運動+着圧ソックス |
| 9〜12時間 | 高 | 上記+立ち上がり・座席選択 |
| 13時間以上 | 最高 | 全対策+医療用着圧ソックス・ビジネスクラス検討 |
高リスク者の特別対策
妊婦・産後6週間以内
- 医師に事前相談(長時間フライト可否)
- 医療用着圧ソックス必須
- 通路側座席で頻繁に立ち上がり
- 水分補給を特に多めに
ピル服用者
- 長時間フライト前後はピル休薬検討(医師相談)
- 着圧ソックス必須
- 水分補給・運動を徹底
高齢者(65歳以上)
- 医師に既往症含め事前相談
- 座席は通路側・非常口席
- 家族・同行者のサポート
がん・心疾患既往
- 出発前に医師の診断書
- 搭乗可否の確認
- 高用量着圧ソックス(医療用)
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よくある質問(FAQ)
Q1. エコノミー症候群はどれくらいの時間で発症する?
4時間以上の座りっぱなしでリスクが高まり、10時間超のフライトで特に注意。発症は機内中〜到着後数時間〜数日と幅広い。
Q2. ビジネスクラスなら安全?
相対的にリスクは下がりますが完全には防げません。座席が広くても長時間同じ姿勢なら発症可能。「エコノミー」は誤解を招く名称で、正式には「旅行者血栓症」。
Q3. 着圧ソックスはどこで買える?
ドラッグストア(マツキヨ・ツルハ等)、ネット通販(Amazon・楽天)で1,500〜3,000円。医療用は薬局・医療機器専門店で5,000円〜。
Q4. 機内で運動するのが恥ずかしい
足首回しは座ったままでできる小さな動きなので周囲にほぼ気付かれません。2時間おきの立ち上がりはトイレに行く体で自然に。
Q5. 水はどれくらい飲めば?
1フライト合計1〜2Lが目安。1〜2時間おきに200mLずつ。アルコール・コーヒーは控えめに。
Q6. 機内で寝ていても大丈夫?
寝ている間は運動できずリスクは高まる。寝る前と起きた後に足首運動を必ず行う。可能なら足を伸ばせる姿勢で。
Q7. 発症したらどうなる?
軽度なら抗凝固薬で通院治療、重度は緊急入院・手術。海外での入院は300〜500万円の医療費がかかる場合も。
Q8. 短時間フライトでも起こる?
3時間以下ならリスクは低いですが0ではない。高リスク者(妊婦・ピル服用・がん既往等)は短時間でも対策を。
Q9. 予防薬はある?
医師処方の低分子ヘパリン等の抗凝固薬があるが、高リスク者のみ。一般旅行者は薬より水分・運動・着圧ソックスで十分。
Q10. 海外で発症した時の保険は?
エコノミー症候群は海外旅行保険の疾病治療でカバーされます。エポスカードなら270万円まで。重症例では楽天・JCB CARD Wを合算して570万円まで確保可能。
まとめ:エコノミー症候群対策の3原則
- 水分+運動+着圧ソックスの3点セット— 基本を徹底するだけで発症リスクは激減
- 2時間おきの立ち上がり・1時間おきの足首運動— 継続することが重要
- エポスカードで万が一の医療費対策— 海外での緊急治療費300〜500万円に備える
長時間フライトの健康対策は、エポスカードの海外旅行保険をセーフティネットにすることで完璧に。エポスカードの無料発行から旅行準備を始めてください。
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エコノミー症候群の話に入る前に、海外旅行者に伝えたい重要事実があります。長時間フライト後に発症すると、現地での緊急入院・手術が必要な事態に。米国で緊急入院すれば300〜500万円、欧州でも100〜200万円の医療費がかかります。
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