アゼルバイジャンの治安は大丈夫?注意すべき場所やポイントについて

アゼルバイジャンの治安は大丈夫?注意すべき場所やポイントについて

アゼルバイジャン(正式名称アゼルバイジャン共和国)は、東ヨーロッパに位置する国であり、ロシア、ジョージア、イラン、アルメニアと国境を接しています。

人口は約1,000万人ほどで、言語はアゼルバイジャン語、首都はバクーになります。

アゼルバイジャンについては日本人にはあまり馴染みがありませんが、観光先として訪れる日本人もおり、旅行代理店でもアゼルバイジャンのツアーを組んでいるところもあります。

今回は、アゼルバイジャンという国について、治安や旅行の際の注意点について解説します。

アゼルバイジャンの治安状況

Azerbaijan State Art Academy in Baku

アゼルバイジャンはロシアを始めとして各国と国境を接していますが、治安状況についてはどうなのでしょうか。

旅行をする上では、その国の治安状況がそのようなものなのかは気になるところですが、以下ではアゼルバイジャンの治安状況について解説していきます。

外務省発表のアゼルバイジャンの治安・危険情報について

日本国外務省は各国の危険情報について公表していますが、アゼルバイジャンについてはどうなっているのでしょうか。

国全体の治安状況ではなく、地区ごとに細かく危険性を評価しているので、旅行の際には外務省のホームページを確認しておきましょう。

最新のアゼルバイジャンの危険情報ですが、国全域で危険レベルが1以上となっています。

特に危険ではない場合には危険レベル0として評価され、そこからさらに1から4の段階で危険度が評価されます。

アゼルバイジャンのほぼ全域が危険レベル1(十分注意してください)となっていますが、一部地域では危険レベル3(渡航中止勧告)の評価となっているので、絶対に行かないようにしてください。

外交問題に基づく治安危険地域

アゼルバイジャンには危険レベル3(渡航中止勧告)の地域がありますが、その地域はアルメニアとの国境付近になります。

アゼルバイジャンとアルメニアは、ナゴルノ・カラバフ戦争という国際問題を抱えており、今現在もこの問題は未解決となっています。

この戦争は、戦争の名前にもあるナゴルノ・カラバフという自治州の領有権を巡る争いであり、両国の歴史観に基づく争いとなっており、90年代以降はアルメニア軍が占領しています。

両国による攻撃や軍隊の派兵など、以前緊張状態は続いており、隣国ロシアを交えて泥沼化しています。

コッズ・デーによる混乱

アゼルバイジャンでは毎年、コッズ・デーと呼ばれる大規模なデモ行進が行われます。

コッズ・デーとは「エルサレムの日」を意味していますが、国家的なイベントであるがゆえに、騒動に巻き込まれると思わぬトラブルが生じる可能性があります。

コッズ・デーは5月31日に実施されますが、この日は交通規制が敷かれることもあるので、移動手段についても問題が生じます。

各種犯罪に対する注意

アゼルバイジャンは日本と比較すると犯罪数も多く、注意が必要です。

近年アゼルバイジャンでは、窃盗事件が増加傾向にあり、住居を狙った窃盗・強盗の他にも、一般人・旅行者を狙ったスリや窃盗も頻発しています。

街中を歩く際には、貴重品はしっかりと携帯しておき、財布やスマホをポケットに入れたままにして歩かないようにしましょう。

置き引きにも注意が必要なので、荷物を置いたまま目を離さないことも大事です。

特に夜間は窃盗関連の犯罪に巻き込まれる可能性が高くなるので、なるべく夜間の一人歩きは避けましょう。

アゼルバイジャンの治安以外で注意すべき点

National Flag Square in Baku

アゼルバイジャンの治安は決して良いとは言えません。

紛争地域には絶対に近づかない、窃盗に注意するという意識を持って旅行する必要がありますが、その他にも注意すべきポイントがあります。

地震に注意

実はアゼルバイジャンは地震が多く発生しており、大小含めてかなりの頻度で地震が起きているので、注意が必要です。

いつ地震が起きても大丈夫なように、懐中電灯や非常用の食料を用意しておくと安心です。

地震が起きることでインターネット環境が遮断されるという可能性もあるので、最悪の事態を想定した準備をしておきましょう。

パスポートを常備する

海外旅行に必須のパスポートですが、実はアゼルバイジャン国内を移動する際には、常にパスポートを持っていないといけません。

外国人の身分証明書として使われるパスポートを携帯していないことはアゼルバイジャンでは違法とみなされ、逮捕されるケースもあります。

入国審査

アゼルバイジャンは入国審査が厳しい国として知られています。

特に入国の際のルートや過去の渡航歴によって厳しい審査が課されることがあり、注意が必要です。

先程も解説の通り、アゼルバイジャンは隣国アルメニアとの外交問題を抱えており、アルメニア経由でアゼルバイジャンに入国する際や、過去にアルメニアに渡航歴のある場合には入国が難しくなることもあります。

所持金にも注意

アゼルバイジャンでは、現金の持ち込みに制限がかけられています。

1万アメリカドルが制限とされており、それ以上持ち込みたい場合には別途申請書類を作成・提出する必要があります。

アゼルバイジャン国内での支払いを行う場合には、なるべくクレジットカードを使うようにしましょう。

その他の国内ルール

アゼルバイジャンを旅行するにあたっては注意すべき点が多いですが、その他知っておくべきルールがまだあります。

それが「写真撮影」と「喫煙」です。

アゼルバイジャンでは、国境付近や軍関連の施設の撮影が禁止されています。

これもアルメニアとの紛争に基づくものであり、不用意に撮影を行うと警察に止められることもあるので、十分注意しましょう。

また、歩きタバコについても厳しく取り締まっているので、喫煙する場合には正式な喫煙スペースでタバコを吸うようにしましょう。

アゼルバイジャンの治安問題やトラブルに巻き込まれないために

バクー

アゼルバイジャンは外交問題や政治的な理由から、治安が決して良いとは言えません。

また、地震や軽犯罪、そのた国特有のルール違反でトラブルに巻き込まれる可能性があるので、しっかりとした準備をしておく必要があります。

危険地帯には絶対に近づかない

アルメニアとの国境付近には絶対近づかないようにしましょう。

国としても規制を強めているので、そもそも国境付近には近づけないようになっているものの、不用意に近づくと軍隊や警察を刺激することになり、危険です。

軍関係の写真撮影も絶対にやめましょう。

旅行保険に加入しておく

保険

アゼルバイジャンに旅行するにあたっては、旅行保険に加入しておきましょう。

アゼルバイジャンは紛争による治安の悪化の他にもデモ行進、犯罪、地震などの様々なリスクが考えられます。

保険に加入しておくことで様々なリスクを回避することができ、不測の事態が発生した際の補償もおこなってくれます。

地震で負傷してしまい医療費が発生した場合や、窃盗に遭って財布やカメラなどの貴重品が盗まれた場合にも補償を受けることができ、大小様々なトラブルに対応してくれます。

また、保険会社のスタッフに24時間いつでも連絡することのできる保険に加入しておけば、急なトラブルはもちろん、道に迷ったなどの問題についても日本語で対応してくれるので、取るべき行動にていて的確なアドバイスを受けることができます。

何も起きないというのがベストなのは言うまでもありませんが、万が一のことを考えて絶対に保険に加入しておいてください。

安全で楽しい旅行にするための準備をしっかりと

旅行保険イメージ

アゼルバイジャンの治安や旅行の際の注意点について解説してきました。

日本では体験できないような経験ができるのが海外旅行の魅力ですが、同時に日本では考えられないようなリスクが生じる可能性もあると言えます。

危険地域に近づかない、災害対策をする、そして保険に入るというような、最低限の準備をした上で旅行に出発しましょう。

備えあれば憂いなしです。